テスト分析の記事について、識者の方々にありがたいコメントをいただきました
以下の記事について、識者の方々から多くのコメントをいただきました。ありがたいことです。
テスト分析についてなんとなくわかった気がする - mhlyc -presentation
そこで言われたのがタイトルの「テスト分析はどうやらテスト対象分析だけではダメで、テスト要求分析も必要らしい」ということです。また、一緒にするのも良くないです。
えー。これ、テスト要求分析とテスト対象分析を一緒にしちゃってるんじゃねーの。だめじゃね? / “テスト分析についてなんとなくわかった気がする - mhlyc -presentation” http://t.co/34X8UeoZcJ
— きょん@うさみみモード (@kyon_mm) 2015, 9月 9
なんでテスト対象分析だけではダメなの?
自分の考えでは「テスト対象を理解して、何をテストすべきか明確にすることができれば、テスト戦略やテスト計画のインプットとしては十分」としていましたが
よく考えれば「それってほんとか?」という話ですね。
Oさんが言われていましたが「 実行時の優先度付けや、網羅度/強度を決めるのにテスト対象の情報以外のものが必要になる」ということです。
例えば、テスターのスキルやドメイン知識を持っているかどうかなどは直接テスト対象に関わりません。なので、テスト対象分析のスコープからは外れることになります。
しかしこれは確かにテスト戦略やテスト計画に大きく関わりますね。
要求?制約?
話が多少ずれますが、
テスターのスキル、リソースやスケジュールと聞くと、要求というより制約という印象が強いです。と、思ったのですがやっぱり要求なのかもしれません。
というのも、制約は「...な状態を〜〜に制限する」とか、基本的にマイナスの方向に働くと思うのですよね。
しかし、要求はというとそうとは限りません。「...という要求があるため、〜〜な対応をとる」となります。これはマイナスの働きとは限りません。
例えば、(あまりないかもしれませんが)「使用できるテスト用環境が増えたため、テスト環境を増やしてほしい」という要求は、要求ではありますが制約ではありませんね。なぜなら、テストは制約がかかるどころかむしろ対象範囲が広がっているからです。
テスト対象分析とテスト要求分析
テスト対象分析とテスト要求分析はそれぞれカバーする範囲が異なるわけですが
個人的にはテスト対象分析はエンジニアリング的側面が強い一方、テスト要求分析はマネジメント的側面が強いような気がします。なので、人の立場によって漏れが発生しやすい/しにくいとかあるかもしれません。例えば、自分は部下をマネジメントする立場にないのでテスト要求分析の話は少し想像しづらい部分がありました。
ソフトウェアテストに関する用語の統一の話
以下、湯本さんがツイッターで言われていたことです。
昔葉よく話していて、この間のWACATEで話したかは忘れたんですが、分析するっていうのは、理解するためにやることなんです。何を理解したいかですが、私が言うテスト分析は純粋にテスト設計するためにテスト対象を分析することです。
— Tsuyoshi Yumoto (@yumotsuyo) 2015, 9月 9
当然他の分析も必要ですが、テスト設計するために本質的に必要なのはテスト対象の理解です。
— Tsuyoshi Yumoto (@yumotsuyo) 2015, 9月 9
それなら「テスト対象分析」って言えばいいのでは?っていうのはわかります。けど言葉を変えるならISTQBにケンカ売って、国際的にも変えさせるくらいやりたいですね。言葉をちゃんと世界中であわせるのが重要です。
— Tsuyoshi Yumoto (@yumotsuyo) 2015, 9月 9
だって日本の狭い中でも、日立の言葉、NECの言葉、富士通の言葉、IBMの言葉って全部個別最適されていて、マルチプロジェクトで意思疎通の障壁になってるよね?そこが本質的な問題です。
— Tsuyoshi Yumoto (@yumotsuyo) 2015, 9月 9
オレは違うと思うからこう言うってひとが複数いるのが本当に問題で、そこを一刀両断にできる国際標準みたいなものが必要だと思っています。なので、私はISTQBで定義した言葉にこだわって使っています。
— Tsuyoshi Yumoto (@yumotsuyo) 2015, 9月 9
これはまさにその通りで、反省する思いでいます。
自分の中では、テスト設計コンテストのチュートリアルだったり本に載ってるテストプロセスだったりISTQBだったりで全然言葉の表現も範囲も異なるので本当に混乱しています。それで自分なりに直した言葉がテスト分析の話でいうと「テスト対象分析」でした。これでは自分は理解できるかもしれませんが、結局それでは混乱に歯止めはかかりませんね。
今後は自分の中で理解をまとめつつも、人に話すときはISTQBとか国際標準の言葉ベースに直して話せるようにしていきたいです。実際、識者の方はそのあたりキチッと勉強されていて、何かしら共通の認識として持てる定義に基づいて話をするイメージがあります。