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ソフトウェアテストと品質保証がメインテーマです。

テスト分析・設計って何?今北産業4(テスト実装について)

アドベントカレンダー4日目

リリカルです。前回の続きです。

 

 前回は「テスト分析・設計の前にやることはなんとなくわかったけど、テスト分析・設計のあとには何のプロセスが来るのだろう?」というところまで行きました。今日はテスト分析・設計の結果がどう使われるのかを見ていきます。

マインドマップから始めるソフトウェアテスト

毎度おなじみこの本では、どのように定義されているのでしょうか。テスト設計の次には「テスト実装」が来ています。

テスト実装

テスト仕様書の内容に基づいて、実際にテストケースを作成していきます。

(マインドマップから始めるソフトウェアテスト p.32より引用)

テスト設計のアウトプットであるテスト仕様書をもとに、実際にテストケースに落とし込んでいくということのようです。

はて、ここで新たな疑問が生まれました。「テスト仕様書とテストケースって、何が違うの?」ということです。

例えば「単体テスト仕様書=単体テストケース」のような現場もあるのではないでしょうか。しかし、この書籍では異なるものとして整理されています。他の書籍も見てみましょう。

ISTQBシラバス準拠 ソフトウェアテストの基礎

1.4.3 テストの分析と設計

(前略)テスト分析とテスト設計では、計画時に確認された大まかなテストの目的を基に、テストの設計とテスト手順(テストスクリプト)の作成を行います。

(ISTQBシラバス準拠 ソフトウェアテストの基礎 p.33より引用)

1.4.4 テストの実装と実行

(前略)テスト条件を、テストケース、テスト手順、その他、自動化のためのスクリプトなどのテストウェアに変換します。(後略)

(ISTQBシラバス準拠 ソフトウェアテストの基礎 p.35より引用)

* ここで、テスト条件とはテストの実行条件とかではなくて、テストケースによって検証する、いわばテスト対象のことを指していることに注意してください。

実行とセットにされて説明されていますが、実際にテストを実行する前までがテスト実装です。

なんだか、ますます混乱してきました。「テスト手順とテストケースは、何が違うんじゃ!」となってしまいますね。テスト手順とテストケースの定義はISTQBの用語集に記載されていますので詳細な記述は省略しますが、要するにテスト手順はあくまでテストの実行手順だけを示すのに対し、テストケースにはテスト条件を検証するために入力値や実行事前条件、予想結果などを記載するという違いがあります。

テストケースまで落とし込むことができると、それを用いてテストを実行することができます。まさに、テスト実行の前段階としてテスト実装のプロセスがあるわけです。それに対して、テスト手順やテスト条件だけではまだ抽象的であり、そのままでは実行することができません。以下のように、テスト実装というプロセスをかませる必要があるということです。

テスト分析・設計→テスト実装→テスト実行

次回予告

次回は、残りの疑問点である「テスト仕様書とテストケースの違い」に触れつつ、新しい概念として「ハイレベルテストケース」「ローレベルテストケース」を取り上げて説明してみたいと思います。明日もお楽しみに。 

参考文献

・マインドマップから始めるソフトウェアテスト

・ISTQBシラバス準拠 ソフトウェアテストの基礎

追伸

なんだかこの企画、自分の知識の見直しにもなってとても良い感じです。次受験する予定のテストマネージャ試験の対策にもつながりそうです!