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僕が書きたいことをひたすらに書き綴る、自己満足のブログです。

JaSST'17 Tohokuに行ってきた感想など

JaSST東北(2017)に行ってきました

先日、JaSST東北に(実行委員として)参加してきましたのでその感想を簡単に書いておこうと思います。(ほぼ参加者としての感想です。悪しからず)

当日のレポートはこちらからご覧になれます。

JaSSTソフトウェアテストシンポジウム-JaSST'17 Tohoku レポート

 

この記事では主となる基調講演と事例発表4つ、そのほかワークとお悩み相談会について簡単に感想を述べたいと思います。

基調講演(ベリサーブ 山崎さん)を聴いた個人的な感想

めっちゃよかった〜〜〜〜。本当に聴けてよかった発表でした。

個人的に今進むべき道を真剣に悩んでいたところだったのですが、なぜ迷っているのか原因を明確にすることができました。

山崎さんの発表では、「最初の一歩を踏み出すのに重要な3つのこと」として

  1. テストの全体観を持つこと
  2. ロールモデルを見いだすこと
  3. 成長へのモチベーションを持ち続けること

の3つを挙げられていました。

それで、特に自分がおお!!!となったのが「ロールモデルを見いだすこと」です。

これまで自分は、漠然とした目標しか持っておらず「とにかくスゴイ人になりたい!」とか「周りの人に褒められたい!」みたいなよくわからないものに向かって進んでいる感じでした。なので、自分が進んでるのか足踏みしてるのかもよくわからない。。。みたいな状況に陥っていました。

山崎さんが言われていたのは、「曖昧な目標を持つのではなく、具体的なロールモデルを明確にすること。そうしないと自分がどういう方向性で進んでいけばいいのかわからなくなる(=明確な自己開発プランを描けなくなる)」といった内容でした。

まぁ、この記事だけ読んで「なんとなくわかった」みたいになられてもそれはそれで「うーん...」ってなるのでぜひ公式レポートのページから資料だけでも読んでみてください。ソフトウェアテストやQAに関わる仕事をしている人、特にこれから頑張ろうとか勉強しようと思っている人には2000%(当社比)くらいオススメします。

事例発表1(ウェブレッジ 土岐さん)を聴いた個人的な感想

端的に感想をいうと、「ウェブレッジさんすげぇ。てかその研修、私も受けたい」です。

ウェブレッジさんがテストエンジニア育成のために実施している研修を発表いただいたのですが、何がすごいのかというと私は以下の2点だと思っています。

  • テクニックではなく普遍的・本質的に使えるスキルを身につける研修であること
  • 知識の押し付けではなく、自ら考えて身につけさせる研修であること

例えば、研修のゴールを「配属後に困らないようにすること」として、業務に関する基礎知識やITスキルを伸ばす研修を作るのも一つの選択肢です。確かに、それで得るものもあると思います。

ですが、その結果「テストエンジニアとして育成することができるか」というと、また別の話なのかも、とも思います。

ウェブレッジさんの研修開発チームは、「テストエンジニアとして持つべき普遍的・本質的に使えるスキルは何か?」というのを考えて、それを丸暗記ではなく実践的に使えるように身につける研修を作ろうとしています。即効性があるスキルは確かに他にもあるかもしれません。ですが、長期的に見たときにどれだけテストエンジニアとして育っているか?と考えたとき、研修の価値は自明になるでしょうし、おそらく当日土岐さんの発表を聴いた方々も「この研修はすごい」というのを感覚レベルで感じ取ったのではと思います。気になった方はレポートページから資料を読んでみてください。本当にすごいです。

事例発表2(JaSST東北実行委員 根本さん)を聴いた個人的な感想

育成を考える上でよく題材として挙がってくる「スキルマップ」と「ゲーミフィケーション」の合わせ技です。

ゲーム(RPG)においても、パーティの編成って面白いですよね。根本さんの発表にもありましたが、「戦士・戦士・戦士・戦士」みたいな極端な編成になることはあまり多くはなくて、実際は「戦士・魔法使い・賢者・盗賊」みたいにバリエーションの富んだ編成を考えたりします。

というのを、ソフトウェアテストのチームで考えたらどうなるか?という発表でした。実際の現場では「テスト設計が得意な人が集まる」とか「探索的なテストができる人がたくさんいる」というように偏りがあることも少なくありません。そういったときに、ではどういうメンバーがいると弱点を埋められるのか?とか自分はどういった面でチームに貢献できるのか?というのを考えるのには自分たちでスキルマップを作ってマッピングしてみることが結構良いのかもなと思いました。特に、1人ではなくてチーム皆でやってみて見せ合ったりできると面白そうです。 

事例発表3(NTTデータ 朱峰さん)を聴いた個人的な感想

朱峰さんは、社内(自社グループ内)でのテスト設計研修開発を行った経験と、社外でのソフトウェアテストに関するワークショップ "WACATE"を企画・運営している立場からテストに関する教育について発表されました。朱峰さんは、その活動の中でも自分のミッションは「汎用的な知識修得〜現場での実践のギャップをできる限り埋めること」であるとされ、取り組みをご紹介いただきました。

※このテーマについてはお悩み相談会でもお話を聞いてきました(詳しくは後述します)

お話を聞いていて思ったのは、とにかく「題材となる仕様書の作成や問題背景の作り込みがすごい」という点です。これは自社グループ向けのコンテンツであっても、社外のワークショップにおいても両方共にそうだなと感じました。研修資料の題材として配布している資料についても発表の中でご紹介いただきましたが、本当に「実際の業務で渡されてもおかしくない仕様書だな」と思いました。でもそこにこだわることで、よりリアリティも増しますし実業務とのギャップも縮まるだろうなと思いました。

事例発表4(アカツキ 山本さん)を聴いた個人的な感想

山本さんの発表の中でキーワードとして出てきたのが「説明責任」です。

正直、私は人に自分の仕事を説明するとかが苦手でできれば避けたいと思っているのですが、仕事をしていく以上避けられないよなあ、とも思っています...。

それで、「育成」というテーマにおいて重要なのが

評価する側 :きちんと評価すること

評価される側:きちんと評価されるように説明すること

であるとされました。

耳の痛い話ではあるのですが、しかし、よく考えれば当たり前の話ではあります。

「いつまでも評価してくれない!」とぼやいていれば相手が変わってくれるかというとそうではなく、評価される側としては「評価されるような説明をする(そのように説明できるような仕事をする)」という方向でアプローチしていくほうが建設的です。その上で評価されなければ、転職面談などの場でそれをアピールして環境を移ることもできます。まさに転職によるキャリアアップを繰り返してきた山本さんならではの切り口だなと感銘を受けました。

ワークショップ「状態遷移図を作成してみよう」

このワークでは、とある横スクロールアクションゲームを題材にキャラクターの状態を考えて状態遷移図を描きました。

ワークの雰囲気はTogetterのまとめを見ると少し感じ取れるかもしれません。

togetter.com

このワークで感じたのは、「あるゲームを題材に状態遷移を考える、という単純なワークであっても学べることは本当にたくさんある」ということです。世の中のテストに関する本を読んで勉強するのもまた一つですが、実際に手を動かし、演習の回答を皆で見せ合ったり議論しあったりするだけでもとても多くの気づきがあります。育成や研修というと、とかく知識を覚えこむことに終始してしまったり固く捉えがちなところがありますが、ゲーミフィケーションなどの要素を加えたりして楽しく学ぶこともできます。自分が思っていたよりも育成というテーマは幅が広いなと感じました。

お悩み相談会で聞いてきたこと

お悩み相談会でも色々聞いてきたので、ここでも一つご紹介したいと思います。

私は朱峰さんのところに質問しに行き、「私はWACATE(ソフトウェアテストに関するワークショップイベント)に何度か参加しているが、実務とのギャップを感じることが多い。このギャップを埋めるにはどうしたらいいか」みたいなことを聞きました。

WACATEというイベントではそれこそテスト設計のワークなどがあるのですが、どうしてもそこでできることと実際の業務で使えることというのは大きくギャップがあるように私は感じていました。その理由を聞きたかったのです。

朱峰さんは「確かにそれは感じている。社外の勉強会などになるとそれこそ幅広いドメインの人が集まるので、本当に業務で直接使えるような経験をするのは難しいところもある」といった内容のことを言われていました。

確かにそれはその通りで、それこそ組み込みでずっとやっていた人がいきなりWeb系のテスト設計をやってみたところで、簡単にそれを応用できるかというと難しいです。もちろん社外の人と交流することならではの得られるメリットもあるのですが、本当に現場ですぐ実践しよう!と考えるとできるだけ背景やドメインが共通している、それこそ同じ現場にいるチームメンバーで勉強会をやってみるとかした方が応用は効きやすいだろうなと思いました。研修を組み立てる側としては社内でできること、社外でできることをしっかり分けて考えた上で作っていかないとうまく研修を受講する側のニーズとマッチしないだろうなあ、などと考えていました。

その他感想など

今回自分はJaSST東北の実行委員としてお手伝いをしていたのですが、実はJaSST東北にフルで参加したのは今回が初めてでした。

JaSST東北では基本的に「自分たちが学びたいこと、テーマとして取り上げたいこと」を中心にイベントの企画を考えます。かなり自分たちらしさというか、JaSST東北らしさを大切にしています。

その結果どうなるかというと、「企画している側(実行委員)が楽しそうにやっている」という状態になるのですね。それが、参加者の方にも「アットホームな雰囲気」とか「親しみやすい」というように肯定的に評価されることもあります。非常に良い循環になっているなと(半分自画自賛になりますが)思いました。 

もちろん良く評価される面もあればうまく運営できてない面もあります。(若干内輪ネタっぽさがある、とか)ただ、それは今後の伸びしろということで、実行委員皆で改善を考えていけばいい部分だと思っています。

今回は参加者としても実行委員としても非常に実りある経験ができました。そもそも自分が実行委員になったのは昨年のVSTePおかわり会に弾丸で参加してきたのがきっかけですから、世の中何が起こるかわからないなぁと率直に感じています。

東京からリモートでの実行委員参画は思うようにいかない場面もありましたが、飛び込んでみてわかることもたくさんありました。そして一番大きかったのは「モチベーションの非常に高い人・スキルの高い人と一緒に活動、議論ができた」という点です。

山崎さんの基調講演にもありましたが、知見を広めて刺激を得るには企画側に回ってみるのも一つだと私は思います。(いつのまにか実行委員の宣伝みたいになっていますね...)

長々と書いてしまいましたが、私の雑記としては以上としたいと思います。お読みいただきましてどうもありがとうございました。