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ソフトウェアテスト、品質に関わること、たまに変なことを書いていくブログです。

長崎IT技術者会 第7回勉強会「TPI NEXT 日本語版 勉強会」 参加レポート

ソフトウェアテスト

 長崎IT技術者会 第7回勉強会「TPI NEXT 日本語版 勉強会」

こちらの勉強会に参加してきました!

 

 

発売を記念して、池田暁氏によるテストプロセス改善技術、TPI NEXTの概要についての説明と、内容に関するディスカッションを行う勉強会だったのですが
非常に有意義でした。訳者の方もいらっしゃいまして、ディスカッションに参加くださいました。
これが無償って…とんでもないことです。本当に頭の下がる思いです。
 
以下、内容に沿って感想を書いていきます。
 
なんと、スライドシェアに資料もアップされています。本当にありがたいです…
 

テストプロセス改善技術概要説明

 
TPI、TMMiについての概要説明。テストプロセス改善技術自体は以前から議論されてはいたが、事例発表などはそこまで活発ではなかった。
TPIがボトムアップ型の改善モデルであるのに対し、TMMiはトップダウン型。改善を主導する側のひとが、管理者なのか現場の技術者なのかによって、モデルを使い分けると良さそう。
 

TPI NEXT ざっくり概要説明

 TPI NEXTの概要説明。まえがき〜第一部、第二部はしっかり読んでおくべき。 第三部、第四部はどちらかというと実際にTPI NEXTを適用してからのお悩み解決に使うイメージ。
 
ここで、訳者の薮田和夫氏より補足がありました。
 
 ・クラスタの考え方というのは、実際にテスト成熟度マトリクスを見てもらえればわかるが、テストツールの最初のチェックポイントが"E"になっている。これは、「テストツールの導入に取り組む前に、"A"とか"B"とされている他の活動に取り組むべきだ」ということを示している。これはプロセス改善に取り組んだことのある方なら、納得のいく考え方ではないだろうか。(薮田和夫氏)
 

ディスカッション(全員)

以下覚えている範囲でですが、ディスカッションでの質疑応答をまとめました。
 
 ・この本を訳していて、思い入れのある部分があれば教えてほしい。
→テスト成熟度マトリクスにおいて、「利害関係者の方コミットメント」が一番最初に来ているところ。必要なリソースすら割り当ててもらえないような状況でテストプロセスの改善も何もない、ということが感覚的にわかる。(湯本剛氏)
→翻訳するにあたり、意見が割れる部分もあった。池田氏の説明にあった「キーエリア達成のコツ」の訳は、湯本氏の案が採用されたもの。他にも「管理」をどう訳すかなど、英語から日本語に訳すのに苦労する部分が多かった。(もとの英語の文法が理解しづらかった、というのもある)(薮田和夫氏)
 
・担当者レベルでTPI NEXTに取り組むには、どこから本を読むのがいいのか?
→TPをはじめ、技術的な分野は自分でコントロールできるため、比較的取り組みやすいと思う。ただ、テストの成功のためにはSR、TMにも取り組む必要があることは理解していてほしい。
また、身の回りの環境に置き換えて考えるのもよいと思う。例えば、顧客との接点を持たない人であっても、隣の技術者、隣のチームはステークホルダーであるといえる。(湯本剛氏、薮田和夫氏)
 
・現在TPIに取り組んでいる場合、TPIからTPI NEXTへの移行はどう考えればよいのか。
→巻末の付録Cに、TPIからの移行について述べられている。かなり詳細に記述しているので、これまでTPIに取り組んでこられた方には参考になると思う。 また、クラスタの組み替えについては付録Bが参考になる。(湯本剛氏、薮田和夫氏)
 
・この本を読むにあたり、前提となる知識レベルはISTQBでいうとAdvanced Levelなのか?
→FL程度の知識はあったほうがよいと思う。(でないと、出てくる用語が理解できない)この本を読めるようになることで、AL程度の知識が身につく、という感じ。読み進めるうえではALは必須ではない。(湯本剛氏)
 
・テスト成熟度マトリクスで現状のテストプロセスが可視化できると思うが、そこからどう改善に取り組んでいくか迷うのではないか。
→まさにこれを解決するのがクラスタの考え方。クラスタの考え方を導入することで、例えば「テストツールを入れたのに、うまく機能しない」といった問題が起きないよう取り組む順序を検討することができる。(湯本剛氏)
 
終わりの言葉
良い訳だな、と思いながら読んでほしい。(湯本剛氏)
なにかわからないことがあれば連絡してほしい。できる限り回答したいと思う。(薮田和夫氏)
 
 

個人的な感想 

数年前はあまりテストプロセス改善の発表は活発でなかったと聞きましたが、その頃はテスト分析・設計がトレンドだったのでしょうか。しかしとても大事な技術であると思います。
自分としては、この本は大大大ヒットです。素晴らしい本に出会えました!!!
 
なかなかキーエリアによっては理解が難しいところもありますが、TPI NEXTのクラスタの考え方は、自学自習をするにあたりガイド的に使うこともできます。また、チェックポイントごとに評価ができるので自分のテストプロセスのレベルがわかります。
 一度キーエリアはざっと目を通しておき、そこから改めて自分のテストプロセスに足りない部分、改善したい部分を補っていくのがよいと思います。
 
とてもよい本を翻訳してくださったこと、またこのような勉強会を企画してくださったことに大いに感謝します。ありがとうございます。
ぜひ、第二回勉強会をやりたいです!
そのときは今よりもっと読み込んで、翻訳者の方のご都合がよければ、お越しいただいて大質問大会というのもよいのではと思います。
 
以上、大変よい本だと思います。ソフトウェアテストに興味のある方はぜひ読んでみてください。 かなり読み応えがあって、買って損はしないと思います。自分も、しっかり読んで感想や思ったことをアウトプットしていきたいです。
 
TPI NEXT 日本語版(Amazonでも買えます)